「藤浪(晋太郎)のピッチング見てるとさ、あれこそ気の抜き方さえ覚えたら、いくらでも投げれると思うんだけど」
今季、阪神からアスレチックスに移籍した藤浪晋太郎の炎上投球にこんなアドバイスを送るのは、野球解説者の江本孟紀氏である。四死球を連発して走者を溜めては、ことごとく打ち込まれる。「史上最悪の投手」とまで言われ、ファンに嫌われた藤浪にとっては、救いの言葉に違いない。
この江本発言を後押しするのが、江本氏のYouTubeチャンネル〈エモやんの、人生ふらーりツマミグイ「江本孟紀」〉に出演した得津高宏氏だった。
得津氏は66年のドラフト6位で、東京オリオンズ(現・千葉ロッテマリーンズ)に入団。当時の球団には、首位打者2回、最多安打4回の榎本喜八氏がいた。
榎本氏は、世界一の本塁打数を誇る王貞治氏に「一本足打法」を授ける前の、荒川博コーチに師事した。得津氏が榎本氏にバットスイングを教わったところ「『気』の入り方。この壁を突き破れ!」と、目の前の壁を指さしたのだとか。当時はなかなか理解しがたかったが、得津氏いわく「呼吸法を教わって、じきに良くなった。フッと半分息を吐いて構える」。
これが江本氏の冒頭の発言とつながるのだ。得津氏は「多分(藤浪は)吸って投げてるんでしょうね」と持論を展開した。
呼吸法ひとつでノーコンが改善するなら、ぜひやる価値はあると思うのだが。
(所ひで/ユーチューブライター)