熊本に本拠地を置く独立リーグ「ヤマエグループ九州アジアリーグ」の「火の国サラマンダーズ」が5月26日に会見を開き、日本野球機構(NPB)が新規参入球団を公募するプロ野球2軍チームについて、条件付きながら申請すると表明した。
その条件について神田康範社長は、7月中旬までに運営費などで今より1億円以上も多く確保しなければならず、増えた分の資金繰りにメドが立った場合に参戦するという。チームは2021年に創設され、リーグ2連覇を経験。昨シーズンは独立リーグ日本一決定戦を制す強豪チームだが、独立リーグ事情に詳しい財界関係者は、
「熊本が突破できるかは微妙な状況」と明かし、次のように解説する。
「NPBの2軍に入るにあたっての最大のネックは、遠征費の増大です。数十人分の移動費、宿泊費はバカになりません。今は他府県の試合でも日帰りで行けますが、加入となれば、そうもいかないからです。一方で、このタイミングで参加表明をしておかないと、球団を支えてくれているスポンサーに示しがつかない事情もある。手を挙げなければ『やる気なし』と見切りをつけられかねません。だからこそ条件付きでの申請に至ったのです」
もっとも、メジャーリーグのように近郊都市の2軍チーム同士でリーグを組めば、移動費を圧縮できるメリットはあるが、実現には大きな構造改革が伴う。はたしてどうなるのか。