巨人の菅野智之が6月11日、PayPayドームでのソフトバンク戦に今季初先発し、5回93球を投げて4安打2失点、今季初勝利となった。オープン戦の3月18日、日本ハム戦で右肘の張りを訴え開幕がズレ出遅れていた菅野は「生涯忘れることのできない1勝になった」と、勝利を噛み締めた。
全国のG党を喜ばせる復活劇だが、スポーツ紙デスクは辛辣だ。
「経験値があったから勝てたわけですが、本来のピッチングではなかったですね。右肘が気になるのか、フォームにダイナミックさが足りません。打者に差し込むような、いつものストレートの強さはありませんでした。コントロールもイマイチで、高めに抜ける球がけっこうありました。打ち損じてばかりいたソフトバンク打線に助けられた形です。微修正を施して、さらに上を目指していかないと」
エースの2023年が約3カ月遅れでスタートしたわけだが、推定年俸5億円の男がこれだけで満足してはいけない。スポーツライターが言う。
「チーム防御率は12球団最悪で、開幕から厳しい戦力でした。菅野が万全に戻れば、逆襲に向けての光が見えてきます。ローテーションでは戸郷翔征に負担がかかっていましたが、菅野がいることで軽減されるでしょう。中継ぎも中川晧太、高梨雄平らのほか、守護神に大勢がいて、コマが揃ってきました。7、8月はジャイアンツの反撃が見られるかもしれません」
菅野の次回登板は6月18日の楽天戦となる。追い風に乗って連勝となるだろうか。