政治

岸田官邸では「別格扱い」の読売新聞が書いた「いつやってもいいと思っている」解散総選挙をめぐる「密談」

 岸田文雄政権をめぐる重要な情報は読売新聞を見ていればいい…というのが永田町の定説だ。読売新聞を率いる渡辺恒雄読売新聞グループ本社代表取締役主筆は岸田首相の父・文武氏と旧制東京高校時代の同級生であり、岸田首相は渡辺氏の開成高校の後輩にあたる。そのため岸田官邸で、読売新聞は他の新聞とは「別格」とみられている。

 その読売新聞は6月11日付朝刊で、目下の焦点である衆院解散・総選挙について、首相が月内と今秋を両にらみしていると報じた。この中で最近、岸田首相は「いつやってもいいと思ってるんです」と「党執行部の一人に秘かな覚悟を打ち明けた」とある。

 この「党執行部の一人」は自民党の遠藤利明総務会長である、との見方が強い。というのも、遠藤氏は5月30日夜、東京・赤坂の日本料理店「津やま」で、首相と2人だけで食事しているからだ。

 遠藤氏はもともと今秋解散との見方を示していたが、岸田首相の決意を聞き、今国会の会期末解散もあるとの見方に転じたとされる。その情報がメディアに伝わり、解散風が一気に吹き始めると、天皇陛下がインドネシア訪問へと出発する前日の「6月16日解散説」が永田町を駆け巡る。国民民主党の玉木雄一郎代表も「16日解散も念頭に置いて準備を加速させたい」と語った。

 ただ、今国会の会期末は6月21日。立憲民主党は内閣不信任決議案を提出する構えだが、自民党サイドは不信任案を解散の「大義」に使おうと、待ち構えている。今まさに解散となれば、最も打撃を受けるとみられるのは立憲民主党だけに、はたして16日に不信任案を提出するか、疑問視する向きも根強い。

 読売新聞が書いているように、岸田首相の「心は揺れ動いている」し、立憲民主党の泉健太代表の心も揺れ動いているようだ。

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