左脇腹肉離れで戦線から外れていた日本ハムの清宮幸太郎が、6月13日に1軍復帰した。横浜スタジアムでのセ・パ交流戦、DeNA戦の試合前に姿を現すと、
「勝負の世界に来たな、という感じ。足を引っ張らないように仕事をしたい」
とヤル気マンマンだ。その清宮に新庄剛志監督は、
「またヤセていかないと、と言った」
減量を忠告したと明らかにしたのだが…。
「賛否両論ありますが、今のスポーツ科学の世界では、ホームランバッターが飛距離を出すためにはある程度、体重が必要になってきます」
そう言って「新庄理論」に反対するのは、球界OBだ。
「巨人・岡本和真、ヤクルト・村上宗隆、西武・山川穂高、中村剛也ら本塁打王タイトルを獲ったことのある日本人打者のほとんどは、大柄な体をボールにぶつけて飛距離を出していくタイプ。清宮が減量してしまえばパワーがなくなり、本塁打数も少なくなるおそれがあります。売り出し中の巨人・秋広優人も、科学的な見地から増量するよう、食トレを科せられている。もし中距離バッターで3割30本を狙うならダイエットが必要ですが、長距離バッターで40本を狙うなら、ヤセる必要はありません」
2軍では6月10日のヤクルト戦で2打席連続ホームランを放つなど、打撃好調で1軍に上がってきた清宮。スポーツ紙デスクが見どころを明示する。
「1軍レベルの変化球にどうやって対応していくのかが、ポイントになりそうです。一流のピッチャーは、150キロ以上のストレートを投げる。そのストレートに気を取られすぎて、変化球でタイミングを崩されるのが、1軍の試合での清宮のパターン。ストレートのタイミングで待ち、変化球を捉えられるか。それができれば、一気に本塁打量産となるでしょう」
新庄監督の忠告に惑わされず、自己を貫けるか。将来有望な逸材の1軍での戦いが見ものである。