2月14日夜に突如飛び込んできた、北朝鮮の故・金正日長男、金正男氏の暗殺のニュース。北朝鮮情勢を注視する国際社会だけでなく、日本のネット民の間にも大きな衝撃が走った。
その証拠にツイッターのトレンドワード1位には「金正男」、10位以内に正男(ジョンナム)を日本語読みにした「まさお」がトレンド入りしたほか、短時間のうちに複数の掲示板で話題になるなど、関心の高さがうかがえる。
「金正男は、日本のネット民に人気がありました。日本に不法入国した際の理由が『ディズニーランドに行きたかったから』と説明したことや『日本語わかりますか?』という日本語での問いかけに『わかりません』と日本語で答えるなどの言動、さらにその丸々とした風貌などからも親しみを覚える人が多かったようです」(週刊誌記者)
その通り、ツイッター上でも「ショック。好きだったのに」「似ているってよく言われて親近感があったから、悲しい」などの声が見られ、「まさお…(涙)」など、親しみを込めて日本語読みで呼び、悲しみを表現している人も多かった。
日本を敵対視している北朝鮮出身の人物に、日本人がここまでシンパシーを抱くほど、金正男は魅力的だったのだろうか。
「面白おかしいイメージが先行していますが、実は国際的な教育を受けた超エリートです。ジュネーブへの留学経験があるため、英語とフランス語を操り、世界各国に友人もいて見識が広い。北朝鮮の現状を憂い、改革・開放路線を望んでいました。また、マスコミに突撃取材をされたときも、不遜な態度を一切取らず、慎重に言葉を選んでていねいに答える紳士的な一面も見せています。ネット民の間では、そうした言動からにじみ出る人柄を評価する声が多く伺えました」(前出・週刊誌記者)
“憎めない自由人”といったイメージと、実際の“国際的な常識人”というギャップでも、日本のネット民の心をとらえていた金正男。15日になり、暗殺されたことがほぼ確定し、ネット上ではさらに落胆の声が広がっている。
(稲垣まゆう)