日本サッカー協会(JFA)が7月13日、女子サッカーワールドカップ(W杯)オースートラリア・ニュージーランド大会(7月20日~8月20日)における日本国内でのテレビ放送について、NHKが放送することで国際サッカー連盟(FIFA)と合意したことを確認できたと発表した。JFA・田嶋幸三会長も「交渉がまとまり放送していただけることになった」と異例のコメントを発表している。
FIFAは今大会から女子出場国の待遇改善を旗印に大会賞金を前回大会(2019年)の約4倍近い、1億1000万ドル(約158億円)に大幅アップ。この費用の捻出を各出場国のテレビ局に向けた放映権料を大幅に値上げして転嫁した。サッカー担当記者によれば、
「FIFAが日本のテレビ局に向けた提示額は100億円近い金額と言われ、民放局は早々に撤退していました」
最後の砦のNHKが放送することが決まったわけだが、W杯での日本の初戦・対ザンビアは日本時間22日の午後4時開始予定で、大相撲名古屋場所十四日目にあたる。NHKは日本相撲協会に毎年30億円(現在金額は非公表)と言われる放映権料を払い、本場所は総合テレビ(1ch)の生中継が大原則だ。
「NHKは複数のチャンネルを持ちますが、W杯でもサッカー女子では大相撲には対抗できない。BSなのか、あるいはEテレに回すのか注目です」(民放局ディレクター)
国民的関心事が女子W杯よりも新大関誕生にあることは容易だ。ただ、W杯の莫大な放映権料が国民からの「受信料」で成り立っていることを忘れてはならない。
(小田龍司)