来月16日投開票の福岡市長選挙を前に、2期目を目指す現職の高島宗一郎市長(39)の周辺が騒がしくなっている。
今年8月下旬から9月上旬にかけて、福岡市の西区、早良区などを中心とした住宅のポストに、タブロイド版の情報誌が配布された。1面には「公人失格! 高島福岡市長 出張先で女性と一夜!?」という何とも穏やかでない見出しが躍る。さらに本文では、高島市長が昨年2月、出張先の韓国・釜山で市関係者以外の女性と、宿泊先のホテルで一夜を過ごした疑惑を指摘。〈事実であれば、公費による海外出張を自らの欲望を満たすために利用した格好だ〉と厳しく追及しているのだ。
「高島市長は、告発記事の内容を『事実無根である』と反撃。先月5日、虚偽の事実を掲載し、不特定多数の人に配布したことは名誉棄損に当たるとして、新聞を発行した情報誌発行会社『データ・マックス』(福岡市博多区)を相手取り、慰謝料など計1539万円の支払いを求める民事訴訟を福岡地裁に起こした。さらに、同社の児玉直社長を名誉棄損容疑で福岡中央警察署に告訴し、受理されています」(地元社会部記者)
この件について高島市長は、自身のブログで次のように心情を吐露している。
〈私の再選出馬の報道がなされた直後から福岡市内のかなり広い範囲で、私に対する誹謗中傷のビラが撒かれています。政治家・公人として、これからも様々な批判は甘んじて受けます。しかし事実無根の事柄をまことしやかに流布することが許される世の中であっては絶対になりません〉
だが、高島市長には別の疑惑も持ち上がっている。同市に本拠を置くニュースサイト「HUNTER」は、市長が本来日帰りできる出張の前後に私用による宿泊をたびたび追加している点を指摘。〈片道分の旅費こそ自己負担しているとはいえ、旅費の半分は税金を原資とするもの。公人としてあるまじき行為〉と主張し、市長選を前にキナ臭い状況になっているという。
「高島市長は発想もユニークかつインパクトを打ち出してきた実績がある。市職員の飲酒が絡んだ不祥事が相次いだ2012年には、全職員に外出先での『禁酒令』を発令。アイドルグループAKB48のメンバーや外国人女性を起用したインターネット上の仮想行政区『カワイイ区』は全国的にも話題となったほど。一部では目立ちたがり屋との声もある」(前出・地元社会部記者)
高島市長は、大学卒業後、福岡の九州朝日放送にアナウンサーとして入社。10年の福岡市長選で現職の吉田宏市長を破り、福岡市長としては史上最年少の36歳で当選を果たした。アナウンサー出身らしく、市民の視線には細心の注意を払う。記者会見はテレビニュースで流れることを想定し、ライトの明るさにも気を配る一面も。
「その一方で昨年9月には、認可保育所の移転に反対する園児の保護者らが、『前市長の時代に現地建て替え計画が進んでいたにもかかわらず、商業施設建設をもくろむ高島市長が移転先の土地購入を決定したのは背任罪に当たる』として、福岡地検に告発。市長リコールの署名運動に発展する事態となっています」(地元商工会関係者)
いずれにせよ、突如、降って沸いた福岡市長の女性醜聞に市役所側は「個人のことなのでお話しできない」(市長室広報課)と答えるのみ。対するデータ・マックスからは期限までに回答はなかった。
「前回は支援した自民党の中からも、高島市長のワキの甘さを心配する声が上がっている。本来6月にするはずだった再選の出馬表明が9月にずれ込んだのも、一部の自民市議が対抗馬擁立を模索していたからです」(福岡市政関係者)
訴訟の行方が市長選を左右することになりそうだ。