「みんな責任を追おうとしてるのか、得点圏打率がジャイアンツは12球団中10位なわけ。めちゃめちゃ低いの。2つあるわけだ、理由が俺の中では」
野球解説者・髙橋尚成氏のYouTubeチャンネル〈髙橋尚成のHISAちゃん〉でこう分析したのは、まさに当事者たる大久保博元打撃チーフコーチだった。そしてその2つの理由というのが、
「ひとつは、能力がない。もうひとつは、責任感が強すぎる」
3年ぶりのV奪還を期して臨んだ今季、巨人はBクラスに沈んでいる。打撃が振るわない責任は大久保コ-チにもあるのだが、
「能力があるかないかでいうと、バッティング練習を見れば、なくはない。能力はしっかり持ってる。2割5分は打つ能力を持ってる、1軍で」
7月27日時点(以下同)でのチーム成績を見れば、4年ぶりの10連勝でセ・リーグ首位に躍り出た広島のチーム打率は2割4分9厘。巨人の2割5分はリーグトップだ。
一方で、巨人の本塁打数102は断トツで、総得点323も阪神に次ぐ2位ながら、得点圏打率2割3分4厘はリーグ5位と低い。勝つための効率が悪いのだ。
打率2割9分1厘、21本塁打の4番・岡本和真の得点圏打率は、わずか2割2分8厘。今シーズン打てない、打てないと騒がれている昨年三冠王のヤクルト・村上宗隆は、打率2割3分8厘、17本塁打と岡本の後塵を拝しながら、得点圏打率は2割7分3厘と、まだ勝負強い。とはいえ、リーグトップの得点圏打率はDeNAの宮崎敏郎と阪神・近本光司の3割7分1厘である。
プレッシャーに打ち勝つ勝負師が躍り出なければ、巨人の後半戦上昇は期待できない。大久保コーチの悩みは解決するか。
(所ひで/ユーチューブライター)