広島は7月28日から敵地甲子園で阪神との首位攻防戦を2敗1分けと力を発揮できず敗れたが、意外にも表情は明るい。
第3戦の30日も、死球の影響でベンチ待機だった菊池涼介が9試合ぶりに先発復帰して、即適時打を放つ。新井貴浩監督は「やっぱり相手の投手、守りもいい。強いチームだなと思った」と感想を語ったが、本心は違っていた。球団OBが明かす。
「甲子園で大きなプレッシャーのかかる3連戦のうち、できれば1試合は勝ちたかったが、まだ勝負どころではないので2位のポジションでもいい、というのが新井監督の考え。鞭を入れて勝負をかけるのは8月のお盆が終わってから、との認識のようだからね。残り10試合の直接対決のうち、7試合は本拠地マツダスタジアムでの試合。今度は阪神にプレッシャーがかかる中で戦うことになる。まだまだ逆転は可能と踏んでいるわけだ」
西川龍馬や外国人野手が不調やケガで満足に揃うことがない中で首位を経験したことにも、手応えを感じているようで、
「相手はすでにベストメンバーで戦っているが、秋口になると前川右京、森下翔太など、阪神の若手は経験のないプレッシャーで戦うことになる。そこは広島の方が有利に動く」(前出・球団OB)
まだまだ決着は先のようである。