広島カープの旋風は本物なのか。首位の阪神をピタリと追走。5年ぶりの優勝へ、アツい戦いを演じている。その要因について、地元・広島のスポーツメディア関係者が、ベンチ裏を解説する。
「新井貴浩監督が選手の士気を上げるのが非常に上手いですよ。たとえボーンヘッドやミスをしても、すぐに監督がフォローを入れてくれるため、選手が失敗を恐れない空気になっています。心使いで選手が伸び伸びとプレーでき、明るいベンチになっている。藤井彰人ヘッドコーチの存在も見逃せません。実践的な参謀役となり、戦略を考えているおかげで、新井監督が選手のモチベーションを上げる役に徹することができています。首脳陣同士のコミュニケーションが取れていて、役割が明確です」
新井監督は菊池涼介や田中広輔、中﨑翔太、上本崇司、松山竜平といったベテラン組への配慮も忘れない。若手とのバランスが最良のスパイスになっているのだ。ベンチの最前列では、監督自ら声を上げて選手を鼓舞。得点が入れば、拍手と笑顔で選手を出迎えている。
ペナントレースの行方は阪神とのデッドヒートが予想されるが、前出の地元スポーツメディア関係者によれば、
「広島の首脳陣の中では、勝負は8月後半から9月に入ってから、との思いがあるようです。先発は九里亜蓮、床田寛樹、野村祐輔、森下暢仁、大瀬良大地、森翔平らで余裕を持って回し、中継ぎは矢崎拓也、栗林良吏のダブルストッパー体制を構築。秋に向け、夏場は疲労を分散させる腹づもりです。藤井ヘッドコーチらが緻密にマネージメントを練っていますよ」
右脇腹の肉離れで途中離脱した大砲の西川龍馬も、8月中旬に戻ってくる。2019年から4年連続Bクラスと低迷した赤ヘル軍団が、一気に頂点へ駆け上がろうとしている。