熱い闘いが繰り広げられている夏の甲子園は2回戦の真っ最中。8月13日には1回戦で宇部鴻城(山口)を破った花巻東(岩手)のスラッガー・佐々木麟太郎が再び登場する予定だ。
1回戦で3打数3安打1打点の活躍でチームを勝利に導いた佐々木は、高校通算140本塁打を誇るスラッガー。今年のプロ野球ドラフトの目玉と目されているが、その割にメディアに取り上げられる機会は少なく、高校野球ファンから不満の声が上がっているようだ。
一方、高校通算本塁打で脚光を浴びた選手といえば、早実時代の清宮幸太郎(日本ハム)だろう。1年生時から「3番・一塁手」として出場すると次々とホームランをかっ飛ばし「清宮フィーバー」を巻き起こした。3年時には西東京大会で東海大菅生に敗れ甲子園出場こそ逃したものの、連日スポーツ紙を賑わせたのは記憶に新しい。
その清宮はというと、高校通算本塁打数は111本で当時として最多だったものの、佐々木には遠く及ばない。
スポーツライターが語る。
「それでも扱いにここまでの差が出てしまうのは、一つに佐々木に県大会で本塁打が出なかったこと。もう一つは、花巻東と東京の早実であることの違いが大きい。花巻東は名門で菊池雄星や大谷翔平などを輩出していますが、やはりローカル校。一方の早実も甲子園に45回出場する名門校で、王貞治氏や荒木大輔氏など数多くのプロを輩出しており、斎藤佑樹氏のハンカチ王子ブームは凄まじかった。早実というバックボーンが大きく関係しているのでしょう」
スポーツメディアには早稲田出身者も多いため、ついつい早実の活躍には力を入れてしまうといった見方もある。しかし今後、花巻東が勝ち進み佐々木が本塁打を連発するようなことがあれば、フィーバーが巻き起こるかもしれない。
(ケン高田)