阪神の梅野隆太郎が8月13日のヤクルト戦で5回に死球を受けて、検査の結果、左手首を骨折していることが判明した。優勝マジック点灯間近の長期離脱となり、チームに暗雲が垂れ込めている。
一死走者なしの場面、フルカウントまでいったが、最後はボールがシュート回転して手首を直撃。衝撃からボールは跳ねることなく、その場にポトンと落ちた。痛みでうずくまる梅野に駆け寄ったトレーナーと今岡真訪打撃コーチの様子を、ベンチから見つめる岡田彰布監督。そのまま三角巾で患部を固定し、梅野はタクシーで病院へと向かった。
試合後、岡田監督は試合中に検査結果が出たことを明かしつつ、不機嫌に語った。
「ベンチに下がってきた時にこらもう、骨折やなと。ちょっと(死球を与える)場面ちゃうしな。今年は無理や思うよ。厳しいコースにいくかねぇ、非常に困りますね」
これで命拾いしたのは、8月15日から8ゲーム差で首位決戦に挑む、2位・広島の面々だ。球団関係者がほくそ笑む。
「広島も秋山翔吾がケガで離脱して、完全に不利と思われたのですが、梅野がいないことで相手分析を1人、削除することができる。配球などの分析も(もうひとりのレギュラー捕手)坂本誠志郎だけで十分となれば、対策は立てやすくなる。得点力不足を補うには、奇襲や阪神ベンチの動きを察知して選手を動かすことは不可欠。五分五分とまではいかないまでも、カープにとってはラストチャンスが転がってきた」
はたして勝負の行方は…。