交流戦後、破竹の8連勝などで首位の巨人を猛追する阪神タイガース。攻守にわたりチームの快進撃を支えているのが、ドラフト4位ルーキーの梅野隆太郎(23)だ。
「梅野には、肩の強さもあるし、長打力もある。自分の新人時代と比べてもプレーもインタビューの受け答えも堂々として落ち着いています。またリーダーシップもあり、不動の正捕手になれる下地は十分にあります」
そう太鼓判を押すのは、10年の現役引退まで阪神の正捕手を務めていた野球解説者の矢野燿大氏だ。
近年、正捕手不在に悩まされていた阪神だが、“新妻”梅野の活躍で、チームは上昇気流に。打撃でも持ち前のパワーを生かし、今季6本塁打を放つなど、その勢いはとどまるところを知らない。在阪スポーツ紙記者が語る。
「昨年12月に行われた入団発表会見でも、梅野と対面した和田豊監督(51)は、『すごいな、お前の胸板! いい胸しているな! 尻も張りがあって、下半身もどっしりしている』とホレボレした表情で体を触り続け、ボディチェックしていた」
チームの体力測定では、身長173センチと小兵ながら、背筋力224キロを計測。その“規格外”の肉体は、あのW杯戦士のトレーニングを採用してからいっそう磨きがかかっているという。
「先日のW杯ブラジル大会に出場した長友佑都(27)も実践している、バランスボールやチューブを使用した体幹トレーニングを大学時代から取り入れて、インナーマッスルの強化を行っています。小柄な体格にもかかわらず無尽蔵のスタミナで伊・セリエAの強豪インテルで活躍する長友に大きな刺激を受けているようです」(スポーツライター)
新人離れした梅野のどっしりした下半身は、阪神投手陣にも好評だ。
「胸囲102センチ、太腿の周囲もトップ競輪選手並みの70センチ以上ある梅野のシルエットをひと言で表すなら“ドラム缶体型”。阪神の投手陣は『梅野はとにかくガタイがいいから、的として投げやすい』と口をそろえています」(前出・在阪のスポーツ紙記者)
アマチュア時代は、その家庭環境から質素な食生活を強いられたが、多額の契約金を手に入れたプロ入り後は浪速の食い倒れを堪能しているとか。
「移動中もスマホでグルメサイトを閲覧するなど情報収集して、行ってみたいお店リストを作成しているようです。特に、寿司、牛タン、カレーが好物で、同期入団の中でも一番の大食漢です」(阪神球団関係者)
首位巨人とのゲーム差はわずか2.5(7月25日現在)。梅野は猛虎復活の起爆剤となるのか。野球評論家の広澤克実氏が語る。
「梅野にとっては、これからが正念場。8月の長期ロードも初めての経験です。アマチュア時代には経験したことのない疲労やプレッシャーがじわじわと体を襲い、コンディションを崩す可能性も。しかし、ここで梅野がふんばれば、さらにチームも上昇気流に乗っていけるし、彼自身も正捕手の座を手繰り寄せることができる」
タイガースの命運は、肉体派ルーキーの活躍に託されている。