18年ぶりの「アレ」が近づいてきた。阪神タイガースが8月13日のヤクルト戦に5-3で勝利し、これで10連勝である。
1点を追う3回一死満塁で、ラッキーボーイの小野寺暖が「腕が震えていたけど、ヒーローになろうと思って」と、ライト前にポトリと落とす2点タイムリー。まさかの伏兵のV打によって、首位独走を確実なものにした。8月15日の広島カープとの首位攻防戦に勝てば、マジックナンバー29が点灯する。
岡田彰布監督の采配がズバズバとハマッているが、それを支えているのは名参謀の平田勝男ヘッドコーチだ。13日のヒーロー小野寺は、昨年まで4年間、2軍監督をしていた平田ヘッドにとって愛弟子。在阪スポーツメディア関係者が言う。
「平田ヘッドは明るく厳しく、軍曹とも言われていますが、若手や外国人の細かな悩みのケアを怠らず、親身に相談に乗ってくれます。選手の性格や調子の見極めに長けており、岡田監督を陰でサポートしていますね。ファームの事情にも詳しく、2軍首脳陣との連絡を密にして、若手選手に目を配っています。それが全員野球の一体感を作っている」
アツイ指導に定評があり、スポーツ全般への研究が熱心。その姿勢を買われて、2012年には芦屋大学の客員教授に就任した経歴を持っている。
「連勝中でも早出練習を適度に課して、油断を生まないように目を光らせています。岡田監督の信頼は厚く、コンディション面での調整も担っている。選手の疲労で夏前に失速気味になりましたが、そこから休ませながら選手を使って回復させたのは、平田ヘッドのおかげですよ」(前出・在阪スポーツメディア関係者)
盤石な投手陣と得点力の高い攻撃陣、首脳陣の采配の良さが合致して、首位独走を演出しているのだ。