8月10日、第10回3日目。名古屋競馬の2日目まではデイ開催だが、3日目と4日目はナイターで行われた。
勉強させてもらったのは5Rだ。8頭立ての1500メートル、右回り。どうもオッズが変なのだ。3連単は加藤聡一騎乗の⑥ジャズボーカルから売れているが、単勝1番人気は塚本征吾の⑤セイコチャンカット。こういうオッズは初めての経験だ。その理由がわからないと話にならないから、近くにいた人に聞いたら、こう教えてくれた。
「塚本はよう穴を出すから人気なんよ、それから若い浅野(皓大)や細川(智史)とかな」
な~るほど、ファンは騎手で馬券を買っているわけだ。ちなみに2022年のリーディングは①岡部誠、②丸野勝虎、③加藤聡一の順。⑤のオッズは2倍台でさすがに売れ過ぎだと思い、馬券は⑥と岡部の⑦アーキットエーサーからのフォーメーションで勝負することに。
レースはスタートから、逃げた加藤の⑥がそのまんま押し切って1着。2着は③、3着は④⑧⑨3頭の写真判定に。⑨ならゲット。ゴール写真を見る限りでは、中の⑧と外の⑨の勝負と思われたが、結果は内にいて見えにくかった④。⑨は4着だった。3連単は2万5140円。ハナ差でドボン。塚本の⑤は8着に敗れたが、塚本、浅野、細川は要注意ということだけは頭に叩き込んだ。
レース終了後は、愛知県競馬組合の担当者に取材のお礼を。それから馬券を買い始め、8Rまでドボンで、なんと6連敗を喫する。
そして9R、9頭立ての2歳馬の、1500メートルのレースだ。甲乙つけがたいメンバーで、騎手も先のベスト3に塚本、浅野と揃っている。ここはフォーメーションで幅広く買って、高配当狙いだ。
結果は丸野の⑨、浅野の⑧、塚本の③で決まり、3連単⑨⑧③は1番人気の1550円の配当。初安打は大トリガミとなってしまった。
10Rはドボン。11Rは1700メートル、11頭立てのレースだ。加藤の⑧、岡部の⑨、そして⑤の3頭が逃げ、前で決まるかと思ったら、中段よりも後ろにいた1番人気の③が猛然と追い込んでゴール。3連単は③⑤⑧で2380円で、これも1番人気だった。この日は1番人気の3連単を2回ゲットのトリガミで終了となった。
競馬場をあとにして、ホテルのある桑名に戻ったのは21時。宿を名古屋ではなく桑名にしたのは、はまぐりを食べるためだ。ところがカーシェアのステーションからホテルに向かう途中で探しても、はまぐりを食べることができる、これといった店がない。さて、どうしたものやら。
ホテルのフロントで尋ねたら、目の前の店なら天然のはまぐりをいろいろ食べることができるという。「三重人」桑名店だ。
すぐに出かけたら、まさしくはまぐりの店。焼きはまぐり、地酒蒸し、陶板焼き、天ぷら、出し巻き卵、濃厚茶飯、お茶漬け、さらにボンゴレまで。
この店では常時、何十キロも天然のはまぐりを確保しているそうだ。食べたのはシンプルに焼き&地酒蒸しだが、地酒蒸しの赤ちゃんの頬っぺたのようなプルンとした食感はたまらない。滋味も豊かだ。
名古屋からは近いが、桑名は三重県ゆえ、松阪牛のメニューもあった。「特送希少部位5種食べ比べセット」を、炭火で丁寧に炙って食べた。日本酒も三重の地酒がズラリと並ぶ。名古屋の前に出かけた盛岡競馬に続き、飲食店は大当たりだ!
桑名には昭和レトロの飲み屋街もある。2015年に公開された、北野武監督の「龍三と七人の子分たち」では、駅前からほど近い路地裏の錦通りがロケ地になった。界隈には昔ながらの夜のお店なんかもあって、怪しい雰囲気が漂っているが、歩いてみるといい感じなのだ。
その中の一軒のラウンジに立ち寄ると、競馬の話になった。昨年までのどんこ競馬場を知っている女性客は「弥富にできた競馬場はスタンドが小さくなったけど、キレイ。前のどんこは雑然とした感じがよかったかな」と懐かしんでいた。
翌日は金シャチ、名古屋城を見て、名古屋旅打ち終了である。
(峯田淳/コラムニスト)