トー横キッズ、メンズコンカフェ、立ちんぼ…メディアで様々に報道される歌舞伎町の風景。今、秘かに増えているのが、キャバ店を狙った無銭飲食だ。日が暮れた頃、キャバ店やクラブなどを紹介する無料案内所に足を運ぶと、壁に貼られた年配男性の写真が目に入る。彼らは皆、無銭飲食をし、出入り禁止になった人物だ。
「写真を貼っているのは、情報を共有するため。(無料案内所の)同業店に、彼らに店を紹介しないようにと知らせるためです」(無料案内所スタッフ)
無銭飲食をするのはどのような人物が多く、どんな手口なのか。無料案内所スタッフが続ける。
「生活保護を受けていたり、住所不定だったり、仕事を一切していないなど、収入がない人が多いです。そもそも金を持っていないため、店側がいくら払えといっても、ない袖は振れません。金がない相手にトラブルを起こしても意味がないので、参っています」
手口はこうだ。多いのは、ひと通り店で酒を飲んだ後に「お金がない」と言うケース。
「逃げたりするというのはあまり聞かないですね。中には延長しまくって50万円ほどの会計を踏み倒した無職の人もいました」(飲食店関係者)
無銭飲食をやらかす人物が店に直接行かずに無料案内所で紹介してもらうのには、理由がある。無銭飲食をした際に店と直接、交渉するとトラブルになることから、案内所に仲介役となってもらうためだ。
全く金を持っていない、あるいは足りないことを最初から自覚して飲食物の注文を行い、実際に飲食した場合、詐欺罪が成立する。最長で10年の懲役が科されることもあり、決して軽い罪ではないのだ。