フィリピン、インドネシア、日本で8月25日から分散開催されているFIBAバスケットボールW杯は、日本では沖縄県沖縄市の「沖縄アリーナ」で9月3日まで試合が行われる。期間中は那覇市、沖縄市、宜野湾市などで試合を中継するパブリックビューイングがあり、さぞかし現地は盛り上がっているだろうと思いきや、
「いや、実はそうでもないんです」
と話すのは、沖縄市在住の男性だ。
「この時期は毎年、沖縄全島エイサーまつりがあり、今年はバスケW杯とともに『KOZA FES』が開催されているのですが、そちら目当ての人の方が多いんです。地元の人に聞いても『バスケ? ああ、テレビで言っていたね』と反応は薄いですね。これが2019年のラグビーW杯の時のように内地(本島)でやれば、開催地は盛り上がるんでしょうが。沖縄の人は地元意識が強いので、外野のイベントで盛り上がろうという気があまりないのかもしれません」
会場となる「沖縄アリーナ」のすぐ近くにはアメリカの軍事基地があり、週末にもなると多くの軍関係者で賑わう。だが今回、アメリカ代表は日本では試合を行わない。それも盛り上がらない原因なのではないか、と先の男性は言うのだ。W杯による経済効果を期待していた地元飲食店関係者は、ガックリと肩を落とす。
「沖縄市は観光地と呼べる場所がほとんどなく、エイサー祭り以外は観光客がほとんど来ないんです。那覇市内や空港からもアクセスが悪くて、今回のW杯は浦添市のモノレールの駅や北谷からシャトルバスが運行されています。皆、シャトルバスのスケジュールでホテルに戻ってしまうため、会場の近くで食事をする人はほとんどいません。各地でパブリックビューイングがあるので、県内のファンは分散して楽しんでいる。地元の人も混雑を予想して遠慮しているのか、あまり見かけませんね。正直、アテが外れました…」
コロナも落ち着き、少しは盛り上がると思いきや、「開けて悔しき玉手箱」とは、まさにこのことかもしれない。