工藤公康氏と山本昌氏がYoutubeチャンネルで対談し、苦手だった打者について語っている。
工藤氏が苦手とした打者は落合博満氏とイチロー氏で、落合氏との対戦をこう振り返った。
「吸い込まれる感じ。インサイド低めで打たれたことが一番印象的。バットが折れたような音がして、あっと思ったらレフトスタンド中段。『えっ!?』て思った。年間5割でホームラン6本ぐらい打たれている」
イチロー氏については、
「ボールの軌道が読める。頭の中で軌道をイメージしているんじゃないかと思っている。インサイドのスライダーで見逃しの三振を取ったが、1カ月ほど後に同じ球を投げたらバットがピュッと出てきてライト線ツーベース。この球はもう通用しないな。次どうしようって」
と、凄さを明らかにした。
一方、山本氏が苦手にしていたのは古田敦也氏。
「通算で40~50本ぐらい打たれている。芯に当てるのが上手い。すごく粘られたことがあって、絶対に頭にないだろうというインコースのカーブ、最後のとっておきを投げた。さっと腰を引いてレフトスタンドに運ばれた。一回も見せたことがない球だったのに」
もう1人は「意外に打たれた」という清原和博氏。
「清原の調子が悪い時は真ん中に投げても空振り三振してくれる。調子がいい時はショートバウンドになるようなスクリューを東京ドームのライトスタンドに放り込む。あれがめちゃくちゃ困る。僕はアウトローのピッチャなので、最終的にはアウトサイドの低めを攻めたい。そこに投げて逆方向にホームランを打たれるのは困る。これができる日本人選手は少ない」
と振り返った。
打たれたくなかったらフォアボールにするしかないと工藤氏。ただ、落合氏はフォアボールで出して次のバッターにヒットを打たせれても一塁ずつしか進まないが、イチロー氏はサードに行ってしまうのに困ったという。そんなイチロ氏ーを山本氏は、
「うっとおしですもんね」
と正直な言葉で表現した。
そんな苦手な選手がいつつも、工藤氏が通算224勝、山本氏は219勝。レジェンドの対談にファンは大喜びで、コメント欄には「結果を出している人の話なのでものすごく説得力がある」「この話は未来への遺産」と絶賛の声が上がった。
(鈴木誠)