ペナント制覇を達成した阪神、そして秒読みのオリックス両球団が、早くも頭を悩ませている。合同での御堂筋パレード案が浮上しているからだ。在阪テレビ局関係者が事情を説明する。
「昨年も実施したオリックスは当然、今年もパレードを企画するはず。18年ぶりに優勝した阪神も、パレードをしないわけがない。久々の優勝で、虎党は大いに盛り上がるでしょう。でも行政としては、2チーム別々の日にパレードをすることになると、警備や準備は2倍になる。できれば一度でやってもらいたいのが本音ですよ」
合同パレードとなれば、避けては通れない問題が浮上する。仮に両チームがクライマックス・シリーズを勝ち抜いて日本シリーズで激突した場合、勝者と敗者が呉越同舟となるからだ。在阪スポーツ紙遊軍記者が不安要素を口にする。
「阪神が日本一になればまだいいが、シリーズで負けた場合、虎党がおとなしくパレードを見ているか疑問です。オリックスナインに罵詈雑言を浴びせてトラブルになる可能性がありますからね」
今季の虎党は球場で発した相手チームへの「いきすぎたヤジ」が問題視され、球団は再三、ウェブサイトや公式X(旧Twitter)で注意喚起している。優勝パレードともなれば、沿道にどれだけにファンが集まるかわからない。群集心理もあって、ひとつのヤジがきっかけとなり、大きなトラブルに発展しかねない。場合によっては、どうにも収集のつかない事態も想像されるのだ。
「阪神としては、単独でパレードをしたい。オリックスも連覇に水を差されたくはないし、両球団とも別々の日を模索するでしょうが、結果は分かりません」(前出・在阪テレビ局関係者)
圧倒的な力でペナントレースを勝ち抜いた阪神、オリックス両チームにとっては、優勝パレードが一番の強敵になるかもしれない。
(阿部勝彦)