「キックの神童」と呼ばれた那須川天心(東洋太平洋スーパーバンタム級8位)の、メキシコ王者のルイス・グスマンとのプロボクシング2戦目は、初回と7回にダウンを奪っての圧倒的な判定勝ち。とはいえ、スカッとしたKO勝ちを期待したファンは多かっただけに、試合後の会見では、
「まあまあダウンは取れて進化した姿は見せられたけど、最後はうまくいかず、人生うまくいかないもんだなと」
那須川自身も消化不良の内容だったようである。
元WBC世界フライ級王者の内藤大助氏が、試合直後に自身のYouTubeチャンネル〈内藤大助のチャレンジします!〉を更新し、「生意気なことを言うようですが…」としながら、那須川がKO勝ちに至らなかった理由を分析。苦言を呈した。
「ここいけば、詰めれるよ、倒せるよ、止まるよっていうタイミングはいくつかあったんです。それをできなかった天心選手がいて、キャリア不足もあるんですけど、一種のセンス、才能だと思うんです。まとめ方がまだ分かってないのかなって。倒し慣れた人って上手なんです。相手が完全にぶっ倒れて白目むくまでしなくていいんです、ボクシングは。チャンスの時にいかに詰めて、レフリーのストップを呼び込むか。それも同じKOなんで」
そう話す内藤氏の戦績は42戦36勝(23KO)3敗。23KOのうち13がTKO勝利だ。ちなみに日本が誇る「モンスター」井上尚弥の戦績を見ても、25戦25勝(22KO)無敗で、22KOのうち14がTKO勝ちだ。
那須川は次戦で、課題克服と真価が問われることになる。
(所ひで/ユーチューブライター)