18年ぶりのアレでファンを歓喜させた阪神タイガースだが、指揮官が見据えるのはこの先だ。10月18日から始まるCSファイナルステージ突破、そしてパ・リーグ本拠地から始まる日本シリーズへ向けて、岡田彰布監督は次のように語った。
「アレは達成しましたけど、次のステージ、クライマックスシリーズもあります。日本シリーズもあります。当然、負けられないと思うし、日本でいちばん最後まで試合できるようにしたい」
指揮官としての手腕、作戦の妙がたびたび称賛された岡田監督は、性格面で丸くなったことが、若い選手をマネージメントする上でプラスになったという。
「第1次政権時はぶっきらぼうで、口をとがらせていましたが、この第2次政権では優しくなり、ベンチで笑顔をのぞかせることも多いですね。選手とのコミュニケーションを欠かさず、不振の選手と練習中に直接対話するシーンがよく見られました。ベンチ裏でも外国人のミエセスとジャレ合う場面もあって、選手をリラックスさせていましたよ」(球団関係者)
ビールかけでは選手と一緒にハシャぎ回り、お茶目な一面を見せた。そんな名将を支えるのが、平田勝男ヘッドコーチだ。
「戦術を実行に移すにあたり、他のコーチに指示を出したり、選手の様子を監督に伝えたり、監督の意図を選手に伝えたり。円滑なチーム運営をするために、黒子に徹して支えました。イライラしがちな岡田監督をなだめて性格を丸くしたのは、平田コーチですよ。彼がいなければ、岡田監督は暴走していたかもしれません」(前出・球団関係者)
監督、コーチの力を結集した優勝といっても過言ではないだろう。
(田中実)