自民党の石破茂元幹事長には「過去の人」という印象が定着したが、本人はまだまだヤル気をみなぎらせている。先日もBSテレ東の番組で、来年9月に行われる自民党総裁選について「準備しておくのは国会議員たるもの、当たり前だ」と述べ、意欲をにじませたのである。
石破氏といえば、9月13日に行われた内閣改造に際し、岸田文雄首相から入閣を打診された場合の対応について
「国家、国民のためなら『受けません』と言ってはいけない。任命権者の首相に従うべきだ」(ラジオ日本の番組にて)と、受諾する考えを示していた。
石破氏と岸田首相は共に昭和32年生まれで、同い年。かつては定期的に食事をする仲だったが、安倍晋三元首相の後継を争う2020年の自民党総裁選に共に出馬し、菅義偉前首相に敗れた。翌年の総裁選で石破氏は岸田首相ではなく河野太郎デジタル担当相を支持し、両者の関係は冷え込んでいく。
そうした中、8月4日夜に岸田首相の誘いで石破氏が会食したことから、入閣を要請されるのでは、との憶測が出ていたのだ。結局、石破氏の名前は入閣名簿になく、岸田首相が石破氏を必要としていないことが明確になった。
石破氏はいい恥さらしとなったが、岸田首相の内閣支持率が低迷し、ポスト岸田の有力候補である河野氏もマイナンバー問題で批判の矢面に立たされるなど、伸び悩んでいる。まだチャンスがあるとみているのかもしれない。