不況の世にあってもペット産業の市場は縮小することなく、癒やしの対象として犬や猫などを求める人は増えている。と同時に、ペットグッズやペットフードも多様化。
「つい最近、ペットにアロマは危険だ、という情報が流れたのです」
こう話すのは、ペットショップ関係者である。「猫とインコにハッカ油を使用してはいけない」との警告も出たというのだが、都内でペットクリニックを営む獣医師が言うには、
「虫除けのためにハッカ油やゼラニウムを使ったところ、飼い猫やフェレット、インコがぐったりした、というのがこの情報が出た理由のようです。ハッカ油でなくとも、アロマの原液は強いので、薄めて使うのが基本。薄めたとしても経口摂取や肌塗布は人間にとっても危険ですが、特に猫は精油を体内に取り込んでしまうと体内で分解できず、健康を害してしまいます」
ただし、犬はそうでもないのだといい、
「代謝機能と速度が猫とは異なり、代謝しにくい成分でも速やかに体外へと排出されることが、研究で明らかになってきています。なので犬に関しては、正しい使い方や使っていいアロマさえ勉強すれば、人間と同じようにアロマセラピーを楽しむことができます」(前出・獣医師)
とはいえ、どの動物には何がよくて何が悪いのか、まだまだ未知な部分は多い。犬ごはんのレシピ本に、中毒や健康被害を引き起こすアボカドが載っていたことで、その書籍が回収騒ぎになったこともある。
これからもペットグッズやペットフードの情報はますます溢れる傾向が強まることだろう。飼い主には正しい見極めが求められる。
(小津うゆ)