日中平和友好条約締結45周年などの祝賀レセプションが9月28日に東京都内のホテルで開かれ、約1400人の政財界代表が集まった。日本側から来賓として「常連」の福田康夫元首相や超党派の日中友好議員連盟会長を務める自民党・二階俊博元幹事長らが出席した。その中のひとりが、公明党の山口那津男代表だ。
山口氏は「夕刊フジ」に連載しているコラム「山口那津男『本音でズバッと』」(9月27日)で先の内閣改造について〈新外相に、「政界屈指の親中派」と言われる林芳正氏に代わって、法相時代のオウム幹部への死刑執行で胆力を示した上川陽子氏を起用した〉と言及した。
月刊「正論」11月号の連載「永田町事情録」によれば、内閣改造にあたって自民党の麻生太郎副総裁は岸田文雄首相に対して「林は親中だからダメだな」と交代させるよう求めた。その結果、岸田首相は林氏を交代させている。
主要党幹部や閣僚が留任するケースが多い中で、林氏の交代は今回の内閣改造における「最大のサプライズ」とまで言われた。改造で「親中」はネガティブな意味で使われているのだ。
林氏は外相になるまで、日中友好議員連盟会長を務めていた。林氏と同じく「親中派」と言われる山口氏だが、林氏のことを平然と〈政界屈指の親中派といわれる〉と称したことには驚かされた。
しかも山口氏は〈注目された内閣支持率は、報道各社の世論調査によると、微増もあったが、微減や横ばいの方が多く、「政権浮揚効果」はゼロに近いといってよい〉とまで言っている。まるで野党幹部のようなコメントだが、衆院小選挙区10増10減をめぐり自民党との関係がぎくしゃくしていた中で、本音が出たのかもしれない。
(喜多長夫/政治ジャーナリスト)