昨年オフにメジャー挑戦を直訴したエースの希望が、ついに叶う。日本ハム・上沢直之のことである。球団が今オフのポスティングシステムでのメジャーリーグ移籍を容認する方針であることが判明。球団上層部と本人が会談し、方向性を定めた。上沢は10月1日のソフトバンク戦に先発して、6回3失点で勝利。24登板で9勝9敗、防御率2.96で今季の最終登板を終えた。
ポスティングを認めた背景には、日本ハムのシビアなコスト体質が関係しているといい、
「実績を積み、中堅以上で年俸が上がり切った選手には、厳しいジャッッジを下す傾向があります。2021年には旬を過ぎた西川遥輝、大田泰示、秋吉亮にノンテンダー(自由契約)を通告しました。3選手同様、球団の一部には上沢のピークは12勝を挙げた2021年という観測がある。2月に30歳を迎える右腕にこれ以上の大きな上積みはない、との考えからです」(球団関係者)
日本で9勝9敗の投手が、はたしてアメリカで通用するのか。
「上沢にタイトル獲得の実績はなく、圧倒的な成績もこれまでないため、アメリカでは掘り出しモノ扱い。日本では先発型ですが、中継ぎでの適性も調べられています。登板日には複数のメジャー球団のスカウトが視察に訪れていましたね。マイナー契約の可能性が高いですが、仮にメジャー複数球団の争奪戦となれば、来季の年俸は5億円程度までハネ上がるかもしれません」(スポーツライター)
マイナー契約でも海を渡る覚悟を持っているとされる上沢には、どんな運命が待ち受けているのか。日本球界でくすぶっていた元阪神の藤浪晋太郎が、メジャーでプチ成功を収めた例もあるだけに…。
(田中実)