サッカー森保ジャパンが10月17日、国際親善試合でW杯常連国のアフリカの強豪・チュニジアに2-0で快勝。5試合ぶりの無失点勝利で6連勝を果たした。
以前は必ず「決定力不足」というケチがついたが、直近6試合で24ゴールも決めている。それもドイツやトルコの欧州強豪相手でも遜色なく戦えるようになり、向かうところ敵なし状態だ。しかし、頭の痛い問題がある。久保建英の起用法だ。
森保一監督は「招集した選手、全員が収穫です」としたが、チュニジア戦では久保自身、「自分が最も輝くところ」と話すトップ下での先発だったものの、評価は引き続き微妙なものだった。
森保監督は代表チームには「序列がある」と再三コメントしているのだが、この試合では全ゴールに絡んだことで久保は「(序列は)ちょっと上がったんじゃないですか? それを期待してまたどうなるか見てみようかなと思います」と自信満々にコメント。報道も「さすがは久保だ!」などとお祭り騒ぎだが、実際は「久保はスタンドプレーが多すぎる」(日本協会幹部)という声が圧倒的なのだ。
トップ下のプレースタイルはゴールを決めること、チャンスを作ることと、得点に直結した仕事が要求される。ただし森保ジャパンの場合はこの仕事に「プラスアルファ」の「全員守備」がぜひモノで、久保に対しても森保監督は「守備面でもっと貢献してほしい」と何度も注文している。
チュニジア戦は自慢のDFを楯とした「5バック」で対抗。本来ならトップ下の久保が司令塔になって攻撃の舵とり役をしなければならないところだが、両サイドに流れて見方にパスを要求。「流れ」といえば聞こえがいいが、チュニジアDF陣を突破できずに逃げの姿勢のプレー。結局、それを察した伊東純也がトップ下に入りケアする場面が何度もあった。試合後、代表OBからはまたもや「俺にボールを全てよこせ! という王様プレーの連続。森保監督の戦術には合っていない」との声が聞こえていた。
今回は国内での活動とあって海外組は長距離移動と過密日程を課せられた。アジアの代表チームである以上、負担がかかるのは事実だが、
「往復ビジネスクラス。ホテルもどんな国でやっても5ツ星。それも全員1人部屋です。他の競技では考えらないほど恵まれた待遇ですよ」(サッカー担当記者)
そんな中、久保は試合後に「キツイですねー。飛行機で休んで、睡眠薬をもらったので綺麗にスパッと眠れればいいかなと思いますが」と話していたが、他の海外組、遠藤航主将は過密日程について「自分はそうは思わない」、守田英正も「僕はそんなことを言える選手ではありませんから」一笑に付していた。これでは森保監督が言う久保の代表チームでの「序列」は上がるわけがない。
(小田龍司)