サッカー日本代表が国内で親善試合(10月13日・カナダ、17日・チュニジア)を行う中、サッカーの話題となれば久保建英の露出がダントツだ。
しかし、今回の2試合は国内とはいえ新潟と神戸を回ることもあり、本人の口からは「正直、キツさがあるのも事実です」などといった本音も飛び出す。ただ、22歳とチーム最年少とはいえ「代表監督が呼んでいるのにキツイなんてわがままだ!」と「監督批判」として取られる可能性もあるスレスレな発言だ。
森保一監督は欧州組のハードスケジュールについて「欧州で活躍する選手たちは日本のために志を持って、覚悟を持って、集まってきてくれている」と返していた。それでも「代表チームには序列がある」と話す森保監督。気なるに久保の序列だが、
「レギュラーの道はいまだに遠い」
とは代表担当記者。カナダ戦前の公式会見で森保監督は、久保の最もハマるポジションは「4-3-3の右ウイングです」としている。現に久保が所属するスペイン1部のレアル・ソシエダードは「4-3-3」のシステムで、久保は右ウイングの主力として今季大活躍している。
しかし一方、森保ジャパンのシステムはといえば、
「4-2-3-1を基本にして、試合中に多くのシステムを導入する『可変式』というスタイルです」(前述・記者)
さらに森保監督のチームスローガンは「いい守備から、いい攻撃」で、相手からボールを奪うことを起点とした堅守速攻が基本戦術なのだ。
これにピッタリ当てはまる選手が、三苫薫(ブライトン)である。
「森保監督は筑波大時代から三苫はいい選手だと話していました。ずっとチェックをしていたんだと驚きましたね」(別の代表担当記者)
また森保監督を古くから知るJ1の監督暦のある関係者は、
「ポイチ(森保監督のニックネーム)は泥臭くプレーする選手が大好き。今のチームでいくと遠藤航(リバプール)とか守田英正(スポルティング)だね。久保は『俺にボールをくれ!』というタイプだから、そこからは外れる」
と話していた。久保が熱望する背番号「10」は堂安律(フライブルク)のもの。そして現状の森保ジャパンの戦術では久保が中心選手となることはありえない。そんな中、招集に「キツさがある」とボヤいているようでは、日本代表の正真正銘のエースとなる日はまだ当分先だ。
(小田龍司)