これは焦りの表れか。横浜DeNAベイスターズの投手補強プランが、球界内で大きな話題になっている。スポーツ紙プロ野球担当デスクが、DeNAの近況を明かす。
「他球団を戦力外になった投手を、かき集めようとしているのです。特にソフトバンクの森唯斗の獲得調査には積極的ですが、オリックスの育成・中川颯や巨人から戦力外通告を受けた堀岡隼人にも興味を示している。その他の投手にも触手を伸ばしつつあり、大量に投手を獲得する可能性があります」
DeNAが投手補強に躍起になっているのは、来季の先発投手陣が手薄になりそうだからだ。スポーツ紙遊軍記者が台所事情を説明する。
「今季、先発の柱だったトレバー・バウアーの来季の契約が不透明な上に、今永昇太もポスティングによるメジャー行きを熱望している。この2人が抜ければ、来季は20勝以上の勝ち星が消えますからね。このままでは優勝どころか、Bクラス転落もありうる」
DeNAは今ドラフトで、地元・横浜高校出身で、社会人No.1野手とされる度会隆輝(ENEOS)の交渉権を獲得した。即戦力外野手で、自慢のマシンガン打線がさらに厚みを増すことは間違いない。だが、即戦力と期待される投手は、ドラフト2位の名城大学・松本凌人と同5位の石田裕太郎(中央大学)の2人だけ。大化けの可能性はあるが、現段階では勝ち星は計算できない。
そのため、ある程度、実力が分かっている投手を獲得し、戦力になるか見極めようという作戦なのだろう。他球団を戦力外になっても、環境面が変化すれば大化けする可能性はあるからだ。
「戦力外ではないが、現役ドラフトでソフトバンクから阪神に移籍して大成功した、大竹耕太郎のようなパターンもある。戦力外投手なら格安で獲得できますからね。仮に戦力にならなくても、不良債権というほどではない」(前出・スポーツ紙デスク)
来季、Bクラスに転落するようなことになれば、三浦大輔監督の去就問題に直結する。この「枯れ木も山の賑わい」作戦は成功するのか…。
(阿部勝彦)