トレバー・バウアーの米球界復帰報道に、日本球界が揺れ動いている。
バウアーはドジャース時代の2021年に、女性に対する暴行の疑いで、翌年の出場停止処分を受けた。その影響でドジャースとの契約が残っていたものの放出され、1年契約でDeNA入りを選択。だが、今年10月にその女性との和解が成立したこともあり、去就が注目されていた。
当初、女性と和解こそしたが、この手の事件を嫌う米球界への復帰は難しいと伝えられ、水面下でソフトバンク、DeNAなどを中心に、日本国内で争奪戦が始まっていた。それだけに、代理人のレイチェル・ルーバー氏がメジャーリーグ関係者と接触し始めたとの米国内報道で、日本の各チームに激震が走っている。スポーツ紙遊軍記者が指摘する。
「もしバウアーが来季も日本でプレーすることになれば、間違いなく今季以上の成績を残す。最多勝や沢村賞の可能性も十分にあります。さすがにサイ・ヤング賞投手ですから年俸は10億円をはるかに超えるでしょうが、獲得できたチームは戦力の大幅アップになりますからね」
特に今永昇太の米球界へのポスティング移籍が有力視されているDeNAは、バウアーもいなくなれば、ペナント奪回から大きく後退することになりかねない。スポーツ紙デスクは、
「バウアーと今永がいなくなれば、単純に考えて今季から勝ち星が20近く減る。死活問題ですね。Bクラス転落なら、三浦大輔監督の去就問題になりかねません」
DeNAとしては10億円を上回る年俸は大きな負担になるが、今永がメジャー移籍すれば、高額の譲渡金が球団に転がり込む。現在の譲渡金の上限は2000万ドル。日本円にして約30億円にも達するため、その一部を充てることは可能だ。
「補強費に糸目をつけないソフトバンクも、バウアーがほしくて仕方がなかった。巨人も興味を示していたし、各球団は情報収集に右往左往するでしょうね」(前出・遊軍記者)
黒船も1年で見納めになるのか。
(阿部勝彦)