JR東日本は駅の1日平均の乗車人員数を毎年発表している。22年度のトップは60万2558人の新宿。2位は45万8791人で池袋。3位は34万6658の東京となっている。では、少ないのはどこか。東京23区内の駅で一番少ないのは4807人の越中島駅だ。
越中島駅を通るのは京葉線と武蔵野線。利用客が少ない路線ではないが、なぜ乗車人員は少ないのか。鉄道ライターが解説する。
「越中島駅がある越中島は北に大横川があり南は隅田川と周囲を川に囲まれていているため、越中島の外から来て越中島駅を利用する人はまずいません。では越中島の人なら利用するかというとそうではなく、大横川を渡ってすぐの所にある門前仲町駅を利用している人が多いんです。京葉線は東京駅止まりでしかも東京駅での乗り換えは長い距離を歩くことになるのに対して、門前仲町駅を通る東西線は大手町、飯田橋を通って中野まで行くので便利ですから」
駅周辺に住宅が少ないのも乗車人員が少ない理由の1つだ。
「駅近くにあるのは東京海洋大学のキャンパスと関連施設。越中島の北東にはマンションや住宅が並んでいますが、ここに住む人は先に話したように門前仲町駅を利用することが多い。結果、越中島駅を主に利用するのは東京海洋大学の学生ということになります」(前出・鉄道ライター)
21年度の乗車人員は4404人で、わずかだが増加している。19年には駅から徒歩4分のところに総戸数222のマンションが建ち、今後は増加が見込めそう。とはいえ越中島駅の次に乗車人員が少ない東京23区の駅は京浜東北線の上中里駅で、1日平均は6547人。越中島駅がワースト1から脱するのは難しそうだ。
(海野久泰)