岸田政権が真っ逆さまに転落している。税理士でもありながら、税金の滞納を何度も繰り返していた自民党の神田憲次財務副大臣が、11月13日に更迭された。「適材適所」を強調した9月の第2次岸田改造内閣からは、これで3人目の辞任。山田太郎氏が女性スキャンダルにより10月26日に文部科学政務官を更迭され、その後も柿沢未途氏に公選法違反事件への関与が持ち上がり、法務副大臣を辞任した。わずか3週間足らずで3人の政務三役が事実上のクビになる異例の事態なのである。全国紙政治部デスクもアキレ顔だ。
「岸田政権の身体検査の甘さが指摘されています。実績や能力を調べず、派閥の言いなりになって、順送りで役に就かせた結果でしょう。3人の更迭についても岸田総理の判断は遅く、大きな批判をに浴びました。自民党内からもバッシングが広がっており、立て直しはもはや困難。政権内部の崩壊が起きています」
減税を打ち出してもピントが思いっきりズレていたため、支持が広がるどころか批判を浴びる岸田政権。世論調査では内閣支持率が20%台で、「選挙の顔が岸田では戦えない」といった身内の声も出ている。永田町では「ポスト岸田」というフレーズが飛び交い始めた。
「政権支持率20%台というのは、いわゆる『危険水域』と呼ばれていて、現実的に内閣退陣が押し迫ってきています。来年の総裁選で新しい『顔』を立て、再来年7月の参院選と再来年10月までに行われる衆院選を戦うことになるのではないでしょうか。次期自民党総裁候補には林芳正前外相、河野太郎デジタル相、茂木敏充幹事長、石破茂元幹事長、上川陽子外相、高市早苗経済安全保障担当相の名前が出ています」(前出・全国紙政治部デスク)
一寸先は闇、と言われる政治の世界。まさに先が見えない闇だけの岸田政権は、いつまで維持することができるのだろうか。
(佐藤恵)