今年4月の東京都江東区長選で初当選した木村弥生氏の選挙運動をめぐり、木村氏を支援していた柿沢未途衆院議員(東京15区)やその秘書らが、複数の江東区議に現金1万円から20万円を手渡していたとされる「選挙買収」疑惑。
東京地検特捜部は11月16日、江東区内にある柿沢氏の地元選挙事務所や秘書宅を一斉捜索するなど、詰めの捜査を急いでいる。全国紙司法担当記者が明かす。
「今回のガサ入れは『柿沢氏本人による選挙買収容疑』で行われています。ズバリ、特捜部のターゲットは、法務副大臣を引責辞任した柿沢氏です。柿沢氏側は『現金配布は区長選と同時期に実施された区議選の陣中見舞い』と説明していますが、特捜部は現金の配布に木村氏を当選させるための買収目的があったとの確証をつかんでいるようです。現金の配布が今年2月から開始されているという点も、柿沢氏側の説明と大きく矛盾していますから」
選挙買収は重大な公職選挙法違反であり、買収を持ちかけただけでも犯罪が成立する。今後、事件はどのような展開を見せるのか。司法担当記者が続ける。
「国会議員には『国会会期中は逮捕されない』という不逮捕特権があります。開幕中の臨時国会の会期は12月13日までとされているわけですが、特捜部は『逮捕許諾請求』と呼ばれる伝家の宝刀を抜いて、国会会期中の逮捕に踏み切る可能性もある。いずれにせよ、柿沢氏は年内に特捜部から任意の出頭を求められ、そのまま公職選挙法違反容疑(買収)で逮捕されることになるでしょう。逮捕後はただちに東京・小菅にある東京拘置所に移送され、検察に逮捕された被疑者として収監されることになります」
その時、柿沢氏は移送車の窓越しに、どんな表情を見せるのか。いずれにせよ、柿沢氏は来年の正月を東京拘置所で迎えることになりそうだ。
(石森巌)