三重の安達裕樹は戸田に遠征すると、いつもいいレースを見せてきた。最近3年の戸田実績は計34走して1着15本だが、特に印象に残っているのは一昨年10月の5日間開催である。
あの時、安達は初日1走目に3着を喫したあと、選抜第12Rに登場。大外から山室展弘らをまくり差し、3連単2万9210円の主役に躍り出た。3走目は逃げて1着、4走目も逃げて1着。そして5走目、今度は5コースから人気の芦澤望らをまくって3連単1万4840円の穴をあけた。
2走目から4連勝を飾った安達は、準優を逃げて5連勝。さらに優勝戦も逃げ切って6連勝のVゴールを駆け抜けた。鮮やかな航跡だったが、いかにも安達らしかったのは6連勝の中にイン逃げが4本もあったことだ。戸田の水面は最も逃げにくいと言われ、5日間にイン逃げ4本を決める選手はめったにいない。
実は、安達はダッシュ戦が強いだけでなく、インの旋回水準が非常に高い。3年間にインから166走したが、うち1着が何本あったか? 正解は、なんと120本である。2着23本、3着9本で3連対率91.6%。着外は14走しかなかった。12月3日【水】~7日【日】の「戸田一般戦」も、この安達がダッシュ、スロー両域から猛攻を見せるだろう。
なお、安達の次走地は12月13日~17日の「常滑一般戦」となっている。
◆ボートレース評論家・水上 周
◆アサヒ芸能12/2発売(12/11号)より