今年、性感染症の梅毒の感染者数が、11月19日時点で1万3251人となり、昨年の1万3228人を上回って過去最多となった。感染者数は3年連続で増加中だが、感染者はどうやって増えているのか。都内総合医療クリニックの医師に聞くと、
「大袈裟に言ってしまうと、梅毒はエイズウイルスであるHIVよりも怖い病気です。HIVは今や治療薬が進んで、完治に等しい状態にもっていけるようになりました。一方の梅毒は、ある時期を越えると治りません。なので、HIVよりも深刻なのだと、あえて言います。梅毒は感染後しばらくすると、無症状の時期が訪れます。そこで気付かず、他人にうつしてしまうことを考えると、今後はさらに感染者が増加する可能性がある。当たり前の話ですが、まずはよくわからない相手とは性交渉をしないことです。それでも気がかりなことがあれば、行為に及んでから1週間ほどで検査を受けて下さい」
とにかく早く治療するにこしたことはないといい、
「一度、健康診断に性感染症チェックを入れることをおススメします」(前出・総合医療クリニック医師)
HIVが「死に至る病」でなくなった今、猛威を振るうのが梅毒なのだ。
「何でもそうですが、必要以上に恐れることなく、軽んじることもなく。大事なのは常に自分の体をチェックすることです」(前出・総合医療クリニック医師)
肝に銘じておこう。
(小津うゆ)