師走の恒例になっている競輪の大会は、暮れのKIERINグランプリと伊東競輪の周年記念「椿賞争奪戦」。伊東は特に相性のいいバンクで、打率7割の固め打ちで帰ったこともあった。今年は2月の施設改善のGⅢ以来、2度目である。
12月5日。4日間開催のナイター最終日、決勝戦がある。12月2日・山陽オート、12月3日・徳山ボートから3連戦だ。
今回は夕刊紙の営業担当の通称イワオ君と一緒に出かけた。イワオ君は仕事がら競輪以外のギャンブル場に出かけることも多く、この日は平和島ボートに仕事で寄ってから伊東に向かう、ギャンブル漬けの一日だった。新幹線を熱海駅で降りて合流したら、渋い表情をしている。理由は言わずもがな。聞くまい。
競輪場まではタクシーを利用。事務所に挨拶してからさっそく、車券を買う。
6R、ドボン。7Rは展開無用、力が違う3車に絞ることができる。メンバー中、競走得点1、2位の⑨東口善朋と①谷口遼平がラインを組む。他の7選手との得点差は大きい。東口と⑥遠藤勝弥には20点近い差がある。この1、2位の両者が着外になることはない。これに続くのは、次に点数が高い⑦菊池岳仁。紛れは菊池が頭の時で、車券は1着⑦と⑨、2着3着①⑦⑨のフォーメーション4点、各1000円とした。
結果は⑨①⑦、3連単1230円。こういう読み切れるレースは、確実にゲットすることが大事だ。
「僕はダメっす。平和島も全然ダメで、最近は絶不調です」
とイワオ君。手持ちもスマホに入っている投票用の残額も、乏しくなっているようだ。イワオ君は暮れのバタバタで電話がひっきりなし。これでは当たるものも当たらない。
伊東ではメインスタンド1階か、その裏側にある店で食べるのが定番。この日はあじフライ150円を。平塚、小田原、伊東の南関東の競輪場でうまいものといえば、何がなくともあじフライ。地魚を使っていて、ハズレなし。それから裏側のお店に行くと、酢だこがある。串をブスッと刺した大振りなたこ足1本300円。2本お願いしてしゃぶる。南関東ならではの味わいだ。
車券は8R、6万円近い配当になった9Rと、続けてドボン。そして10R。これも7Rと同様、①南修二と⑨香川雄介の競走得点が他と違いすぎる。ただし、もう1車を絞り切れないので、広めに。だが3着は、成績上位の⑦河野通孝。結果は3連単①⑨⑦、1850円。トリガミだ。7Rと同じ①⑦⑨の組み合わせで、絞って厚めに買うのが正解だった。
11Rは荒れてドボン。決勝12R。このレースは大失態をやらかした。①松井宏佑、⑨佐々木龍、⑤和田健太郎、⑥五十嵐力の南関勢4車が結束。①と2番手を回る⑨から売れていたが、⑤も好調だ。車券は1着⑤⑨からのフォーメーションを買った…つもりだった。
ところがスタート前に確認すると⑤⑨ではなく、⑤⑦から買っている。大慌てで⑨から買い足し、フォローは万全だ。そして結果は⑤①⑨の3連単6080円。ゲット!
だがよくよく見ると、⑤からの買い目になぜか3着⑨がない。オー・マイ・ゴッド! 11月、九州の飯塚オートの帰り、博多に向かう電車で乗り過ごす大失態を演じたが、伊東でまたやってしまった。
「えっ、⑨がないんですか。ハハハ」
イワオ君は他人事だと思って笑っている。いや、これは笑われても仕方があるまい。なんたるお粗末の一席か。
少々、疲れ気味かもしれない。だが、3連戦の収支はほぼトントン。ヨシとしようではないか。
伊東では最後にお楽しみが待っている。いつもの店でソウダガツオのたたき、うずわを食べる(写真)。この日はやっぱた(別名ブラックサーベルカッターフィッシュ)の刺身も、橙ぽん酢で。静岡の肴にはスッキリした地酒、臥龍梅がよく合うのだ。
(峯田淳/コラムニスト)