先日、高倉健さんに続き、戦後を代表する大スター菅原文太さんが転移性肝ガンによる心不全で亡くなった。享年81。07年には、膀胱ガンを発症、全摘出を勧められるも膀胱温存療法を選択、再発が危惧される5年間を過ぎようとした12年末に、今度は肝臓にガンが見つかった。
このことでもわかるように、膀胱ガンは60歳以上に多い高齢者の病で、発症が人口10万人あたり約17人という絶対数の少ないガンでもある。が、「最近、若年者の症例も増えている」と指摘する医師もいる。しかも再発を繰り返すやっかいな病なのだ。
先月放送された「爆報!THE フライデー」(TBS系)で、元WBA世界ミドル級チャンピオンで、タレントの竹原慎二さん(42)が膀胱ガンで、現在も闘病中であることを明かしていた。
膀胱ガンとは「膀胱粘膜に発生するガン」(「家庭医学館」=小学館=)で、一番多い症状は血尿。痛くもかゆくもなく、しばらくすると血尿が止まるので放置しがちだが、それで悪化させるケースが大半だという。
この病気、5年生存率は70~90%と高いのだが、再発率も約60%と高い。菅原さんも完治と思われていたが、発病後の7年後に帰らぬ人となった。漢方薬店の仁生堂・大村悌冶郎 薬剤師は、
「緑茶を多く飲む人ほどかかりにくく、再発や転移を抑える効果がある」
と言うのだが、この病、これといった原因もわかっていないのだから確実な予防法もない。日本大学医学部付属光が丘病院の吉川哲夫医師は講演でこう述べている。
「膀胱ガンは、今のところ確固たる予防法はありませんが、早期診断、早期治療によって予後が向上します」
血尿が出たら、すぐに基幹病院(総合病院や大学病院クラス)の泌尿器科の受診を勧めている。ただし、吉川氏は、こうも言っている。
「喫煙者は非喫煙者の2~3倍の発生率です」
やはり禁煙は必須のようだ。