スポーツ

森保一監督がW杯に抱く「3チームぶんの戦力準備」の不足と伸びしろ部分

 第2次森保ジャパンがスタートした今年、初戦のウルグアイ戦(1-1)、2戦目のコロンビア戦(1-2)で躓いたものの、その後は破竹の8連勝、しかも34得点という快進撃で終えた。

 もちろん、その8連勝の相手は、勝って当たり前の北中米W杯アジア2次予選の試合もあり、他は親善試合である。それでも9月、アウェーでのドイツ戦に4-1で勝ったのは圧巻だった。

 W杯カタール大会後、森保監督の続投が決定したことで、日本代表のサッカーは継続された。選手たちは森保監督の考えや性格も理解しているし、森保監督も選手たちのプレースタイルや性格を理解している。今までのように4年に1回リセットして監督を代えるというのは、1からすべてを再スタートさせなければいけない。でも監督続投は、チームの強化をスムーズにさせる。

 選手選考でも長友佑都、吉田麻也、酒井宏樹らベテランを招集せず、菅原由勢、町田浩樹、伊藤敦樹などの新戦力を積極的に招集。攻撃陣もレアル・ソシエダで中心選手である久保建英やカタールW杯で活躍した堂安律をベンチスタートにするなど、自分の信念というか考えがぶれないのは相変わらずで、周りの雑音に全く左右されなかった。

 そんな森保監督は選手層に関して、

「誰が出ても、誰と組んでも機能するチームを2チーム、3チーム分と、何があっても準備できるチームを作りたい」

 と言っていた。

 現段階でアジアレベルなら2チーム分の戦力があるといっていい。ただ、世界を考えるとそこまでの選手層があるかといえば疑問だ。

 例えば9月のトルコ戦。日本は控え選手中心のBチームで臨み、前半を3-1とリードして折り返す。トルコは後半に入ると主力選手を投入して主導権を握り1点差にする。日本はトルコに傾いた流れを変えられず、結局キャプテンの遠藤を投入して逃げ切っている。結果から言えばBチームでは試合中のゲームの流れを変えられる選手がいないということ。

 それでもパリ五輪世代の選手も積極的に招集するなど、選手層を厚くすること、チーム力のレベルアップという部分では成果が出た1年ではないだろうか。

 問題は来年2024年。1月にアジアカップが開催されるが、国際Aマッチデーは2026年北中米W杯アジア予選の試合に使われる。そういうスケジュールのなかで、どうやって代表チームをレベルアップさせていくのか。

 第二次森保ジャパンの2年目、パリ五輪世代との融合もある。どんなチーム作りをするのか楽しみでもある。

(渡辺達也)

1957年生まれ。カテゴリーを問わず幅広く取材を行い、過去6回のワールドカップを取材。そのほか、ワールドカップアジア予選、アジアカップなど数多くの大会を取材してきた。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
2
暴投王・藤浪晋太郎「もうメジャーも日本も難しい」窮地で「バウアーのようにメキシコへ行け」
3
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
4
侍ジャパン「プレミア12」で際立った広島・坂倉将吾とロッテ・佐藤都志也「決定的な捕手力の差」
5
怒り爆発の高木豊「愚の骨頂!クライマックスなんかもうやめろ!」高田繁に猛反論