政治資金パーティーの裏金問題で、岸田下ろしの「秘策」が永田町を駆け巡っている。裏金議員の一斉議員辞職だ。
仮にだが、閣僚を辞任した松野博一前官房長官、西村康稔前経済産業相、鈴木淳司前総務相、宮下一郎前農水相、また年内に自民党要職から外れる萩生田光一政調会長、高木毅国対委員長は全員が衆院選挙区選出で、来年3月15日までに議員辞職した場合、公職選挙法上、4月28日に補欠選挙を実施しなければならない。6人全員が辞職しての6選挙区補選は異例で、
「永田町の常識からすれば、補選に合わせて総選挙をせざるをえない」
と与党ベテラン秘書は話す。そうなれば岸田政権が終焉、自民党内の権力構図は大きく変わることになる。
12月20日の「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)で元衆院議員の杉村太蔵氏は、
「捜査が進み、逮捕者が出れば、議員辞職で補選ということも考えられる。その場合、政局はどうなるのか」
と指摘した。裏金問題で議員が逮捕されれば、離党・議員辞職は当然のこととなる。また「疑惑、疑惑」のまま、来年の通常国会で参考人質疑、証人喚問などの取引材料で使われるのであれば、思い切って議員辞職を考える「パー券議員」が出てくるかもしれない。そうした議員が増えれば増えるほど「補選」も増え、岸田政権の寿命は短くなる。
「補選」が「5」以上も実施されることを前提とすれば、それが決まった段階で解散総選挙をにらみ、岸田下ろしが始まるのは確実だ。安倍派を中心に「対抗馬」の一本化が進めば、岸田文雄総理は解散・総選挙をし、活路を見出すしかない。もし解散・総選挙を渋っても、補選後に来年9月の総裁選前倒し論が浮上し、岸田政権はそこで終わるだろう。全国紙論説委員は、
「補選の数が1や2では、風向きは変わらない。5となれば、与野党あげての政治イベントとなり、動かざるをえない」
強制捜査の行方も含め、どうなるか。
(健田ミナミ)