中国製のほくろ取りクリーム「点痣膏」を使用して皮膚が変色した、などという報告が相次いでいるとして、国民生活センターが使用中止を呼びかけている。
〈SNS上の広告を見て購入した海外製のクリームで重篤な皮膚障害が発生!-ほくろ等が取れるという「点痣膏」をお持ちの方は使用を中止してください-〉
事実、使用者からは、次のような苦情が寄せられている。
「皮膚が熱くなって、やけどみたいになった」
「色が変わってよけいに黒くなった」
この「点痣膏」は、「素早いほくろ除去」「痛みも痕もない」「ひと塗りで安全にほくろやいぼが取れる」とアピールして、ネット通販で売られている。
国民生活センターは「点痣膏」の検証結果を、以下のように報告し、注意喚起している。
〈2023年6月、国民生活センターの「医師からの事故情報受付窓口」に、SNS上の広告を見てインターネット通信販売で購入した、ほくろ、いぼ、しみ等が取れるという、海外製の「点痣膏」(中国語読みで「ディエンジーガオ」)というクリームを顔面のほくろにつけたところ、化学熱傷を負ったという事故情報が寄せられました。
また、同年8月に消費生活センターから、同じ銘柄名である「点痣膏」というクリームについてテスト依頼が2件あり、調べた結果、いずれも強アルカリ性で、皮膚に使用すると重篤な障害を引き起こすおそれがあると考えられました〉
中国製ならさもありなん、といういいかげんなものだが、そもそも中国の化粧品は中国人もあまり信用していないというから…。そもそもクリームを塗ってホクロが取れるなど、もし事実だとしても、よほど強力な成分が入っていると想像できる。美容クリニックの医師が険しい表情で言う。
「今は薬機法が厳しくなったことで、化粧品やサプリメントの誇大広告などNGです。ましてや『効く』『消える』『治る』などと謳ってはいけない。ところがSNSにはいまだに『こんなに効いちゃっていいの!?』などと驚くようなビフォーアフターを出している広告も見受けられます。1カ月で3分の1の体に痩せて別人になった…というダイエットサプリのSNS広告を、つい先日も見ました。そんなことはまずありえないと冷静に考えて、商品をキチンと調べてから買うかどうかを考えて下さい。特に中国製には気を付けねばなりません」
ほくろを除去したければ、専門の外科で相談するのがいいのでは。取り返しがつかない事態になってからでは遅いのだ。
(小津うゆ)