そのビックリ発言でプロ野球ファンをザワつかせたのは、阪神タイガースの岡田彰布監督だった。交流戦明けのことである。2.5ゲーム差につける2位DeNAとの首位攻防3連戦を控え、横浜への移動日となった6月22日。岡田監督はメディアを前に、こう言って不満をブチまけた。
「(横浜スタジアムの)イベントの時間が長いよな。待ってる時間、長いで、ホンマ。あれで拍子抜けするよな。野球に関係ないイベントばっかりやってる。言うとけよ、横浜に」
横浜スタジアムではイニング間に行う観客参加型のイベント、あるいは試合後のイベントが多く、ファンが盛り上がることで知られているが、そこにイチャモンをつけた形だ。
これをDeNAサイドが挑発と受け止め、にわかにヒートアップ。逆襲の燃料を投下することになり、阪神は3連戦3連敗で首位から陥落してしまった。スポーツ紙デスクが苦笑する。
「結果的にリーグ優勝できたのでよかったですが、もしV逸していれば、あの言葉が『失言』と捉えられ、岡田監督の責任問題に発展していたでしょう。相手に奮起する材料を与えたという意味では、反省しないといけない発言ですね」
岡田監督は6月24日の試合後に、
「あのイベントの記事からおかしなった」
と自らの発言を棚に上げ、報じたメディアに八つ当たり。事実上、自ら不適切発言だったと認めた。
「確かに横浜スタジアムはイベントが多く、選手の負担になっている部分は否定できません。『イベントが長くて、試合後になかなか帰れないことがあった』『演出がしつこい』と不満をコッソリ漏らすDeNAの選手がいるほどですから。ただ、公の場で監督という立場の人が発した言葉にしては、軽率すぎました」(前出・スポーツ紙デスク)
ズケズケとモノを言う岡田節はファンからの人気も高いが、一歩間違えると取り返しのつかない事態を招きかねないだけに、注意が必要なのである。
(田中実)