2024年1月2日から3日にかけて開催される「箱根駅伝」は、第100回の節目。平年より3校増えて、23校が出場する記念大会となる。毎年激戦が繰り広げられる舞台は、東京・大手町から神奈川・箱根の芦ノ湖までの往復10区間。217.1キロをつなぐ長丁場だが、その展望についてスポーツライターは、
「出雲駅伝と全日本駅伝を合わせた3冠を2年連続で獲得しそうな絶対的王者の駒澤大を、城西大や中央大、青山学院大が追いかける展開になりそうです。駒澤大は選手層が厚く、どの選手が出ても好タイムが予想されます。死角を見つけるのが難しいくらいですよ」
近年では伝統校だけでなく、なじみの薄い新興大学も上位に進出している。その理由はどこにあるのか。スポーツライターが続けて解説する。
「カネをかけて有望な高校生を勧誘し、推薦入学、特待生入学させているからです。箱根駅伝の視聴率と注目度が上がったため、出場して上位進出すれば学校の宣伝やPRになり、一般受験生が集まる仕組みですね。有望な高校生ランナーには、新興大学から授業料や部費、入学金を免除する特待入学の勧誘連絡がひっきりなしに来るといいます。栄養費という名目の毎月の小遣いまで提示して、入学をうながす大学もありますね。大学4年間、全くお金がかからず、むしろお金をもらいながら駅伝競技に集中している大学生はたくさんいます。だから有望高校生ランナーの進学先が、伝統大学から新興大学に移っているのです」
箱根駅伝に出場する選手や大学には企業スポンサーがつき、女性ファンもたくさんつくという。第100回大会は、箱根駅伝がもたらす巨額マネーや人の動きに注目しながら観戦するのもいいのかもしれない。
(田中実)