世の中には信じられない話があるものだ。霜降り明星のせいやはなんと、夜中に「まさかの攻撃」を食らったことがあるという。せいやが深夜のラジオ番組出演に行こうと、自宅を出た時のことだ。せいやが振り返る。
「マンションを出たらすぐにね、上り坂があるんです。結構、急な坂なのよ。でさ、ちょっと今日は『雨が降りそうやな』みたいな時ってあるやん。雨のしずくが1、2滴ぐらいかかって『冷たっ!』っていうような時。俺は坂を上っていて、風も強くて、『あぁ~雨が降るんやな』と思って、2メートルぐらい先を見た。そしたら坂の左側の街路樹に、30歳くらいのオッサンが…俺と変わらんぐらいの人が、立ちションをしていて。それが風に乗って、俺の顔にかかっとんねん!」
信じられない光景を目の当たりにしたせいやが、なおも続ける。
「その人が酔っ払いかわからんけど、『うわぁ~!』って言いながら。俺、唖然として。『何をしとんじゃー!』って言いたかったけど。もちろん、洗いに帰るやん。マンションのエレベーターに乗って、エレベーターの反射に映る自分の顔を見て『俺は知らんヤツに小便をかけられて、家に帰っているのか』と…」
当時の気持ちを思い出すと、グッとテンションが下がるのだった。
ところが相方の粗品は面白がって、
「俺はその人にしゃべりかけるかな。100%向こうが悪いからな。トコトン強気でいける大チャンスやんか。『ちょっと、すいませーん。ダメですよね。顔にかかりました。どうしましょ。どうしてくれますか』『どうしましょ。警察に行きましょうか』…」
対処法を伝授されたせいやは、そんな強気の粗品をただただうらやましがるしかなかった。
(坂下ブーラン)
1969年生まれのテレビディレクター。東京都出身。専門学校卒業後、長寿バラエティー番組のADを経て、高視聴率ドキュメントバラエティーの演出を担当。そのほか深夜番組、BS番組の企画制作など。現在、某アイドルグループのYouTube動画を制作、視聴回数の爆発を目指して奮闘中。