大谷翔平がドジャースと10年総額7億ドル(約1015億円)で契約し、山本由伸は12年で総額3億2500万ドル(約462億円)と景気のいい話が聞こえてくる野球に比べ、サッカーJリーグの金銭事情はなんとも寂しいものになっている。元日本代表で横浜F・マリノスで活躍した栗原勇蔵氏が水内猛氏のYouTubeチャンネルに出演し、Jリーグのお金と契約について明らかにした。
Jリーグは「支度金」と呼ばれる契約金が少ないのだという。栗原氏はユースからトップチームに上がった時に支度金が出たが、雀の涙ほどで引越代にしかならない金額だったという。大卒の選手でも最大で500万。プロ野球のドラフト入団選手の契約金1億円と比べると、がっかりな金額である。
年俸もプロ野球と比較すると低く、栗原氏は最高年俸が7500万円だったと明かした。サッカーライターが言う。
「栗原氏は横浜F・マリノスの下部組織で育ち、トップチームで18年にわたってプレーした生え抜き。日本代表としても国際Aマッチに20試合出場したトップクラスの選手。それが7500万円とは、低いと感じてしまいますね」
Jリーグには試合に勝った時に支払われる「勝利給」があり、栗原氏は、
「自分の時は40万円でした。今はもうちょっと上がったみたいですけど。それが年間で1000万円になることもある」
と話した。それでも基本給とあわせて8500万円。1億円プレイヤーが数多くいるプロ野球と比較すると、やはり残念感は否めない。
横浜F・マリノスは母体が日産自動車ということで、日産の車を貸してくれるというが、
「インスタグラムで1万人以上のフォロワーがいる人には貸してくれる。何千人だと貸してくれない。宣伝にならないって」
と、厳しい条件があるとか。
水内氏が所属していた浦和レッズは三菱自動車の車を貸し出していたが、自分の車ではないので雑な運転をしてぶつけることが多かったため、修理代がかさむとあって中止になったという。
このようになんとも寂しいJリーグの金銭事情。サッカー選手を目指す子供が減らなければいいのだが。
(鈴木誠)