古今東西、いわゆる未確認動物(UMA)の目撃情報というのは数年、あるいは数十年に数回程度なものが多く、なおかつ目撃者も1人ないし、少人数である場合が多い。
ところが、同じ付近で中1日を置いて出現し、しかも2回目は100人を超える地元住民がはっきり目撃したとして、ニュースとしても報じられたケースがある。それが1891年にアメリカのインディアナ州クロフォーズビルに出現したとされる「クロフォーズビル・モンスター」と呼ばれるUMAだ。世界のUMA研究家が語る。
「これまでにクロフォーズビル・モンスターが目撃されたという公式な報告は、過去に2回だけ。1回目は1891年9月4日午後2時頃で、地元に住む牧師とその妻、農作業員2人による目撃が報告されています。ところが2日後の9月6日、またも空中を飛び回る同様の怪物が現れ、今度は100人以上が同時に目撃した。地元のクロフォーズビル・ジャーナル紙でも大きく取り上げられました」
目撃されたUMAは白色で、全長約6メートル。姿は巨大なウナギを思わせ、体に沿って複数のヒレが生えており、頭部と思われる箇所には3つの顎があったという。
「目撃者によれば、雲を縫うごとく空を飛び交うその姿は、風に乗ってはためく旗のようだったとも、あるいは異様なほど体の細い竜が天に上っていくようだった、と。いずれの目撃者も、謎の生物は空を飛びながら、苦しみにのたうち回るような、悲鳴にも似た鳴き声を上げていたと証言しています。実は1873年にもテキサス州のボナムで、スカイサーペントと呼ばれるUMAの目撃情報があり、大騒ぎになったことから、専門家からも同一種の可能性を示唆する声が上がりました」(前出・UMA研究家)
動物学者からは「設置された電灯の照明に混乱したフタオビチドリの群れが上空でホバリングする姿が、光る白ヘビに見えたのではないか」との指摘も出た。クロフォーズビル・モンスターは2回目の目撃情報を最後にその姿を消したことから、フタオビチドリ説の信憑性も疑わしいとされてきた。
「鳥のしわざなら、同じようなことが起こっても不思議ではない。しかし、目撃者たちが耳にした、断末魔のような鳴き声はいったいなんだったのか…」
地元関係者はそう言って、首をひねるばかりだったという。
(ジョン・ドゥ)