沖縄のプロ野球春季キャンプで人気なのは、玄関口の那覇空港や歓楽街の松山から近い球場を訪問すること。ところが今キャンプで「心臓破りの坂」が出現し、不評を買った。地元記者が語る。
「那覇市に隣接する浦添市は、今年でヤクルトがキャンプ25周年を迎えました。公共交通機関のゆいレールで那覇空港から30分ほどで最寄り駅に到着後、徒歩10分程度で球場までアクセスできるのが利点です。沖縄セルラースタジアム那覇でキャンプをする巨人も人気ですが、2月中旬までは宮崎でキャンプを張るため、『最も近いキャンプ地』として、市側がアピールしていました」
アクセスが抜群にいいヤクルトキャンプ地が、なぜ不評なのか。地元記者が続ける。
「ヤクルトがキャンプをする浦添球場がある公園では改修工事が行われており、公園内の大半が通行できません。そのため、駐車場から勾配が厳しい上り坂を200メートル歩いた後、400メートルほど下って球場に入らざるをえなくなりました。選手は車やタクシーで移動するので関係ありませんが、ファンやマスコミ関係者は『ひどい仕打ちだ』『ありえない』などと文句タラタラ。球団も一時は沖縄県内の別球場や海外でのキャンプ実施を検討しましたが、予算削減もあり、浦添開催で落ち着いたのです。年配の球団OBや解説者の中には『ヤクルト外し』をした者もいたほどです」
せめてキャンプにかぶらない時期に工事をしてもよかったのではないだろうか。