沖縄で開催される映画イベント「沖縄国際映画祭」の中心的役割を担ってきた吉本興業が、今年を最後に映画祭の実行委員会から抜けると表明した。2009年から15回開催された沖縄国際映画祭は毎年、多くの人が訪れる、沖縄の春の風物詩だ。今回の撤退報道に、現地在住の飲食店からは悲鳴が上がっている。那覇市で飲食店を経営する男性に理由を尋ねると、
「国際映画祭には多くの吉本所属の芸人の方が訪れて、飲食店でお金を使ってくれるんです。芸人の追っかけの女性客も、本土からたくさん遊びに来ます。芸人行きつけの店の情報を聞きつけて飲み歩いてくれるので、街全体が活気づくんです」
開催中には映画出演者や監督が、レッドカーペットを練り歩く。そんな出演者をひと目見ようと、歩道には多くの見物客が訪れる。だが結局、シャンパンを入れてくれたり、夜の街に大金を落としてくれるのは、芸人やそのファンだというのだ。
「正直、吉本が撤退した映画祭は、夜の街はかなり寂しくなるんじゃないですかね。俳優や映画監督が派手に遊ぶイメージはないですから。3月や4月は旅行者がそこまで多いわけではないので、吉本の芸人さんを頼っている飲食店は多いと思います。松本人志さんの問題などでいろいろ大変なのはわかるんですが…」(前出・飲食店経営者)
吉本が撤退することで、来年以降の開催が難しくなるのでは、との見方もある。沖縄にとって、大きな痛手となるのは間違いなさそうだ。