2014年を締めくくる「有馬記念」は、GI馬10頭という豪華メンバーがそろった。そこで、競馬界のレジェンド“アンカツ”こと安藤勝己元ジョッキーが有力馬を徹底分析!
安藤 今年はメンバーがそろってる。「JRAが出走馬を集めるために優遇措置を講じた」なんて聞いたけど、それぐらいのことをしたほうがいいよね。有馬記念ぐらいは馬券を買おうという人もおるだろうからな。正直、今までのメンバーはちょっとさみしいところがあったから‥‥。馬場も改修して、芝がいい状態という部分でも、これだけ馬がそろったんだろうけどな。
その馬場だけど、開幕週を見ていると、時計がかかっているし、差しが決まっていた。当日どうなるかはわからんけど、今年の予想は難しいわ(笑)。
── 冬の風物詩の一つ、中山競馬場で行われる有馬記念は、その独特のコース形態や2500メートルという距離が予想を難しくさせているだけに、安藤氏の診断は聞き逃せない。昨年の分析では優勝した怪物オルフェーヴルの強さを強調。2番人気に支持されたゴールドシップは、気難しい部分などの不安点をあげ、レースでは約10馬身離された3着に敗れている。はたして今年の主役は?
安藤 オレは軸にするんであれば、ジャスタウェイがいいと思うんよ。今年3月のGIドバイデューティフリーを見ると、やっぱり能力はある。強えわな。その前走の中山記念でもいい競馬をしてるし、信用できると見てる。距離にしてもこなせるで。東京の2400メートルのジャパンCよりも、有馬の2500メートルのほうが距離は長くても、ごまかしが利くというか、こなしやすいんよ。状態さえ変わりなく出てくれば、勝つまではどうかわからんけど、軸として信頼できるタイプだと思うわ。
── 今年のジャパンCは、GI馬12頭という好メンバーがそろい、馬券的には難解な一戦だった。結果は安藤氏が予想した▲エピファネイア、◎ジャスタウェイ、△スピルバーグで決着した。
安藤 ジャパンCで対抗に推したジェンティルドンナ(4着)は、確実に上位に来たけど、やっぱり馬場が渋った影響だと思う。でも、有馬では厳しいやろう。この馬、右回りはマイナスと考えたほうがいいと思うよ。それに、今の時計のかかる馬場も向かんやろうし。
勝ったエピファネイアは‥‥これがまた難しいんよ(笑)。どう取るか。やっぱり乗り難しい馬で、流れひとつで引っ掛かる可能性があるしな。ジャパンCはスローでもなく、淡々と流れて、あの馬場にしては時計も速くて、流れが向いとった。正直、キレるタイプじゃなくて、平均的にダァーって行くような緩みのないレースが合ってると思うんよ。ただ、今回はそんなにペースが速くなんねぇかもしれんしな。先行馬の顔ぶれを見ても、スローにしたい馬が多いし、今年は枠順しだいでガラッと変わりそうやね。
◆アサヒ芸能12/22発売(1/1・8年末年始合併特大号)より