江戸川ボートでは、GI江戸川大賞優勝戦が行われた3日後の3月7日から、関わっている新聞社の社杯が行われた。売り上げに貢献しようと社員を始め、関係者、ボート好き十数人が参戦したのは3月10日のことだ。
4日制の一般戦。優勝戦は10日に組まれていたが、このシリーズも3日目の9日が強風高波浪で中止、順延に。10日は前日に行われる予定だった予選の最終戦が行われた(優勝戦は11日)。
このシリーズは3日間の得点率で、4日目の優勝戦出場が決まるシステムだ。例えば一般予選というレースの場合、得点は1着10点、2着8点、3着6点、4着4点、5着2点、6着は1点。そして走った得点合計を、乗った回数で割った数字が得点率になり、上位6人が優勝を争う。
予想にはボーダーライン上の選手が火花を散らすバトルの要素が加わり、グンと熱くなる。この日の参加者はジャイアン、イワオ君に、予想を担当している隊長と兵隊ら、総勢十数人。
ジャイアンは午前から5レース的中しているものの、大きなヒットはなさそうだ。イワオ君は前半の配当の低いレースを中心にゲットし、トントンみたい。
「2日目はズバズバ当たった」というヒゲの隊長は、この日はサッパリらしい。予想はうまいが、舟券ベタというやつだ。頭は押さえているのに、2着や3着が抜けてしまうのだ。兵隊は江戸川が初めての戦地。難水面の江戸川で、どう戦うか。
勝負の前に、江戸川大賞の時に食べた豚汁の店のみたらし、あんのおだんごを食べることに。兵隊に頼んだら、20本あまり買い込んできた。大好評。
7R、8Rはドボン。続く9Rは3連単①③⑨1060円、10Rは同①⑥④1040円だった。これをセオリー通り、①ともう1艇を1着にして、2着3着に2艇を加えたフォーメーション12点で的中である。しかし、プラマイのボーダーは1200円だから、トリガミだ。この2レースは何人か的中したが、厚く張らないと儲からないから、喜びも半ばである。
11Rの①小原聡将はジェットスキーのチャンピオンで「波乗り上手」だが、このシリーズは冴えない。ここまで④④④⑤。隊長の「小原はよくないから」というコメントもあって、アタマからは買いづらい。ところが、結果は小原が逃げて、①②⑥1580円。周囲も同調圧力に負けたのか、小原を軽視してドボンだ。
そして迎えた最終12R。
①前沢丈史38東京97期
②増田 進52東京70期
③前原大道27岡山123期
④石川吉鎬47大阪82期
⑤磯村 匠32東京107期
⑥井手良太36大阪109期
一般戦は勝率が上のA級と下のB級の選手が同時に斡旋される。A級とB級では明らかに実力が違い、枠に関係なくA級選手が連に絡むことが多い。2日目はA級選手の1、2着で決まったレースが、12レース中7レース、うちA級選手3艇で連を独占したのが、3レースもあった。
風は北からの向かい風が6メートル、上げ潮50センチ。3月4日の江戸川大賞の最終日とは明らかに異なる気象条件を考慮する必要があるが、こういう場合、それよりも力と格の差がモノをいう。
A級は①③④の3艇。①前沢は前半のレースが4着で、優勝戦進出は消えた。③前原は前半のレースのアクシデントで、同様に進出できない。④石川は優勝戦に乗るには1着の条件がつく。
そんな個々の事情はあるにせよ、最後は①③④の3艇に。まず①③④のボックス各1000円。1着2着①③④から高配当を期待して、②の3着に各200円だ。
ジャイアンは①④ー①③④ー①③④⑤のフォーメーション。イワオ君は1着③から買いそびれ、うなだれている。隊長は③の頭がない舟券だった。兵隊は不明である。
レースはアウト④~⑥が好スタートを切ったが、テクニックに勝る③がマクリを決めた。1周1マークを回って2番手だった⑤が2マークで④と①に内から抜かれ、3連単は③④①、3670円。これはとった。イワオ君は目を凝らしてみたら、③の舟券があったとか。ラッキーである。
ジャイアンは「③の1着は切った」と悔しさを滲ませる。隊長はドボン。
周年GIと社杯は、ともにプラス。かくして最寄りの船堀駅で、祝杯をあげた。
(峯田淳/コラムニスト)