「開幕前から巨人の育成捕手たちは正念場を迎えている」
そう言って危機感を煽るのは、関東地区を担当するプロ野球スカウトだ。3月11日に巨人と日本ハム間で若林晃弘と郡拓也のトレードが成立。ユーティリティープレイヤー同士の交換でワリを食らわされたのが、巨人にいる育成契約の捕手である。前出のスカウトが語る。
「郡が加入したことで、支配下登録の捕手は6人。結果として1軍と2軍の試合を、支配下登録の捕手だけで回せるようになりました。育成契約でも2軍の試合に出場できるとはいえ、1試合の上限は5人まで。その枠は阿部慎之助監督の肝いりで出戻ったウレーニャや、支配下当落線上の若手投手に割り振られる見込みです。シーズン前から育成捕手たちのアピールの場が大きく減ることが確定しました」
1軍はおろか、2軍でさえも捕手の陣容は盤石。新加入の郡は、内外野を守れるオプションまでついている。それだけに、支配下への昇格のハードルはさらに高くなり、
「支配下登録の捕手が1人や2人故障したぐらいでは、育成から昇格することはないでしょう。そもそも巨人では1軍レベルの戦力とみなされなければ、育成から支配下登録とはなりませんからね。高卒3年目の大津綾也のように、内野手として多分なポテンシャルを持つ選手ならまだしも、大卒4年目の前田研輝、大卒3年目の亀田啓太、高卒4年目の坂本勇人(写真)は早くも、今季中の支配下昇格が絶望的となりました。同様に、故障で2022年に支配下から育成に降格した萩原哲も、厳しい立場に置かれる。首筋がヒンヤリしているのは、ベテランの小林誠司だけではありませんよ」(前出・スカウト)
残る支配下枠は「5」。背番号3ケタの捕手たちは、サバイバルレースから脱落してしまうのか。